北朝鮮の権力中枢での謎の動き。
その鍵を握る言葉"プラチナ・ビーズ"とは?
何が残酷だ。何が不必要だ。そういう連中は、見えないところで四六時中兵隊に守られている自分の現実に全く気がついちゃいない。クソ野郎どもだ。
言論の自由と個人の権利を保護したぬくぬくとした体制を、兵隊が死にもの狂いで守っていることを、連中は全く認めようとしない。ゲス野郎ども......てめぇでてめぇのケツも拭けないでいるくせに、番犬なくして羊の群れを守れると信じている。てめぇの隣人は天使だと信じて疑わず、仮に狼が襲ってきても狼に説得が通じると思いこんでいる。
つくづくおめでたい連中だ。だが、こんな連中のためにさえ死ぬのが兵隊だ。
米国防総省直轄情報機関の日本における出先機関<会社>に勤める情報分析官・葉山は、調査中、北朝鮮の権力中枢にある動きがあることに気づく。
同じ頃、基地から姿を消した兵士が惨殺死体となって発見される。
失脚していた金達玄の復権と、その影に見え隠れする外国人らしき男の存在、そして謎の言葉"プラチナ・ビーズ"。
葉山は謎の中心にたどり着くことができるのか―― ?
面白かったです。こういう謀略小説の類ってあまり読んだことがなかったし、文庫にあるまじき厚さにも少々たじろいでいたのですが、読み進むうちに止められなくなりました。
葉山自身の過去や、葉山の上司・エディ、米軍の内部調査員・坂下など、それぞれが好き勝手に動いているようで、どんどん一つの方向に収束していく展開はスリリングで目が離せない。そしてその登場人物たちも一癖も二癖もあって、読んでいるだけで面白いです。
それにしても考えさせられたのが、今の日本のあり方や食べ物のことについて。
出てくる登場人物たちのほとんどが外国人で、そこから見た日本評のようなものもさり気なく散りばめられているし、話の中心となる北朝鮮の飢餓のあまりの惨さや、ぬくぬくとした日本にある自分、というものを振り返らざるを得ない本でもありました。
ここに書いてあることがそのまま全て真実だとかは思わないけれど、著者自身の経歴もあって、日本の一端ではあるのだろうなぁ、と。
このお話が好きな人へ 主観的なおすすめ本
五條瑛 『スリー・アゲーツ 三つの瑪瑙』 『スリー・ウェイ・ワルツ』
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